前回は転職を決意した。。というより”会社を変わるという生きる道があるんだ!”という視点を得たお話でした。しかしながら奴隷の頭ではいくら考えても人間社会への復帰はどこからどう着手していったらいいのかわからないのです。それぐらい徹底して自己否定を受けてきたので自分の人生に対しては一切、建設的な発想が生まれないのです。
そんな悶々とした日々を過ごす中、いつも通りに営業に出るために会社を出ると、偶然にも見知った顔の紳士とすれ違います。学生の時にアルバイトしていた事務所に出入りしていた社長さんでした。私の顔を覚えていてくれたようで「お~っひさしぶり」と握手してくれました。
そのまま近くの喫茶店でお話をします。どんな会話をしたかは覚えていないのですが、まさに”僥倖”の一時。。「じゃウチの会社来たら?」と話が進んだら良いのでしょうけど折からの不況で、この社長さんも事業の継続が難しい状況でした。
しかしながら大いに精神的な後ろ盾を得た私は、新宿の駅で別れた後にトイレに直行。個室に入り「よし。。よし。。。よぉし~」と呻き続きました。これぞ僥倖の後の歓喜ひとりトイレでの歓喜。。。あまりにも長い時間、トイレに篭っていたことと、呻いていた事もあり心配した人がトイレ掃除のおばさんを呼んできて「出られなくなったんじゃないかって心配した人から言われてね~見に来たんだけど大丈夫かい?」と声をかけてくれました。(本当の話です。念の為)
何しろ半径5mの日常触れる人間は、全て奴隷なので人間と関わりを持つということが本当に大きな視座を与えてくれるのです。
そして数ケ月の間、粛々と辞めるための準備をしました。本当は枝渡りの猿のように、次の枝(会社)を掴んでから今の枝(会社)を手放すべきなのでしょうけど、辞める事に全精力を注ぎ込まないと辞めれないのです。奴隷ですから・・
最後はお正月の年始に社長宅を訪問して、子供たちにお年玉をあげた上で辞意を伝えました。(訪問時は無防備に喜んでもらったので少々気持ちに負い目が・・・)
そんなこんなで、会社を辞めることができた時には、なんとも言えない清々しさが胸に満ちました。まるで映画「ショーシャンクの空に」のワンシーンのようです。
僥倖。。。まさに僥倖の一時でした。。。。。