前回からの続きです。このADSL事業者は、この事業に死活をかけていた事もあり湯水のように人件費を使いまくっていました。街角や電気量販店、駅前などあらゆる場所でモデムを配っていた若者がいた事をご記憶の方も多いかと思います。
ワールドビジネスサテライトでもこの模様は取り上げられ、とあるエコノミストの方が「キャッシュが足りない」と販促費の高コストぶりを危険視していました。
かなり無理な営業をしていたので”迷惑を被った”方も多くいらっしゃった”と思います。申し込んでも受けつけが受理されていないなどというのは日常茶飯事で、ひどい時は”申し込んで半年たっても繋がらないので解約したら繋がった”という都市伝説級の噂?まで出る始末です。
確か、総務省から行政指導的な注意を何度か受けていたと思います。
一度、SV(スーパーバイザー)が集められて、創業者のこの事業にかける思いを目の前で聞いた事があるのですが、違和感しか感じませんでした。この人は革命家としてはありだと思いますが、共に仕事をする仲間としては私の感性では受け付けられませんでした。
そして、かの販促プロモーション請負会社の人間を殊の外持ち上げるのですが、揃いも揃って、なかなかの面構えばかりです。〇〇方式という、かなり強引なトークを駆使して営業実績を上げた人物がこれでもかと持ち上げられていました。
こういう手合の人間が我々SVの上に立つわけですから、簡単ではありません。とにかくワーワー大声をあげて、夕方のお魚屋さんのように「持ってってー」とやるパフォーマンスを見せないとケリが入りそうな勢いでした。。
仕方がないので、販売員のメンバーには、「普段は自分のペースでやりやすいようにやっていいから、見張り?の気配に気づいたら直ぐに大声出してアピールしてね。」と支持を出しました。
その他にも、様々なコンプライアンス違反な出来事があったので、書く気もおきないのですが、その思いと引き換えに多額の給与を得ていた事は事実です。「金貨が鳴れば悪口が静まる」というユダヤの格言の如く、表立って文句は言えません。。
このような環境下でも、一緒に働いている販売員の人から「いやぁ~俺、アサカズさんって本当にまともな人だと思います。」と言われたのはうれしかったですね。
この案件は約1年間継続することができました。大変ではありましたが、若い販売員と交流することができ楽しい時間を過ごすことができました。末端の販売員やクレーム担当者にとってはたまったものではありませんが、上層部で動く人にとっては、やりがいのある面白い事業だったのではないかと思います。