ビジネス雑誌の危機管理特集か何かで、航空自衛隊のメンタル管理が取り上げられた記事を何かの折に見ました。とにかく音速を越える戦闘機で模擬空戦をするのは相当なストレス耐性を要求されるようでパイロットはまさに選りすぐりのスーパーマンであることは間違いありません。
戦闘機を操るのは相当なストレスのため、パイロットの控室はふかふかのソファーが置いてあり、なるべく脱力できる環境になっているようです。
そして一旦空に上がってしまって、もし空戦になった場合に要求される能力の一つが
ベストな答えを待たずに、ベターな判断を瞬間的に次々と下していくということです。
とにかく迷ったらアウト。。
ベストな答えにアプローチして行動できる環境というのは、いくばくかの安全が担保された状態で、全うな思考が働く余地がある地に足がついた環境であると感じます。
言うなれば、そこそこ安定した人生を歩んでいる御仁の思考です。
一旦、崖から落ちてしまえば、掴まれるものは木の枝でも、敵から差し出された手でもなんでも摑まえるしかないのです。これが安定から切り離された人が選択するしかない思考です。
地を踏みしめることができる人からすれば「なぜ?そんなバカなことを?」としか思えないのですが、パラシュートもなく落っこちている人からすれば、そんなことは言っていられないのです。溺れるものは藁をも掴むとはよく言ったものです。
自分の「キャリア」を振り返ってみると空中戦ばかりをしてきましたので、地上の人から見ると無計画極まりない単なる「アホ」なのですが、航空士官の目から見れば、歴戦の勇者なのではないかと思われます。
まさにエースパイロット。。。。?!
安定への憧れは終生尽きることはないと思いますが、願えでも叶わない夢であれば、この不安定さをデフォルトとして空中に浮いた状態を楽しむしかありません。
時代の流れは、地の時代より風の時代と言われていますので、この風に真っ先に乗るために今までの体験があったのではないかと密に思うこの頃です。